昭和40年代から50年代にかけて、医薬品市場は過度の添付販売や景品販売、あるいは巨額の接待攻勢が行われ、熾烈なシェア争いが繰り返されていた。そのため、医薬品の本来の品質・有効性・安全性とは無関係に薬が処方されてしまう悪弊が時として起こり、結果、他業種から見ても異質な業界として世間からの批判が繰り返されていた。
この悪弊は、MRに価格決定権があった事に起因すると言われている。
これらは薬の倫理を重んじるべき製薬企業が、あまりにも企業の論理に走りすぎた結果と批判され、1976年には「倫理コード」を、1984年には日本製薬団体連合会(日薬連)が「製薬企業倫理綱領」を定め、歯止めを掛けようとしていたが、遵守率は低く、その思惑とは乖離した状況が続いていた。
しかし、1991年に改正された独占禁止法の施行により、MRの価格決定権が禁止され、流通と医療機関との自主性によって価格が決定される仕組みへと業界のシステムが変わった。
この事が業界の商慣行の大幅な修正へとつながり、日本製薬工業協会(製薬協)は自主規制のルール作成に取り組み、1993年、製薬企業の行動指針となる医療用医薬品プロモーションコードを作成した。
これにより、従来プロパーと呼ばれていた製薬企業の営業は再構成を余儀なくされ、MRとして再スタートを切ることになった。
プロモーションコードの内容は、具体的には、
* 自社製品の添付文書に関する知識はもとより、その根拠となる医学的・薬学的知識の習得に努め、かつ、それを正しく提供できる能力を養う。
* 製薬企業は、直接であれ間接であれ、医薬品の適正使用に影響を与えるおそれのある金銭類を医療機関等に提供しない。
* 製薬企業は、医薬品の適正使用に影響を与えるおそれのある物品や、医薬品の品位を汚すような物品を医療担当者等に提供しない。
* 効能・効果、用法・用量等の情報は、医薬品としての承認を受けた範囲内のものを、有効性と安全性に偏りなく公平に提供する。
* 関係法規と自主規制を遵守し、医薬情報担当者として良識ある行動をする。
等である。
