交通事故死亡者は戦後の高度経済成長期に自動車保有率が上昇するのと比例して増加し年間1万人以上が死亡する事態となった。1960年頃から戦争でもないのに膨大な人数が犠牲となることを比喩して「交通戦争」と呼ばれる事態となった。1970年には交通事故で年間で1万6765人が死亡し史上最悪の年であった。当時の犠牲者の多くは歩行者であり、特に子供、それも幼児が半数以上を占めていた。この後、警察や行政などが交通安全対策に取り組んだこと、また、2度の石油ショックなどで経済の伸びが鈍化したことなど影響で事故数、被害とも減少に転じた。
その後、交通事故の犠牲者は1980年代に再び増加し、バブル経済真っ只中の1988年に1万人を超えたが、バブルの終焉と共に1993年以降減少に転じている。1970年代の減少と合わせ経済の盛衰が交通事故犠牲者の増減と相関関係を示している。車輌側の走行能力があがるにつれて1970年代後半からの交通事故犠牲者は運転中の乗員が主なものとなっていったが、車両側の安全装置(プリテンショナー(衝突時締付け)機能つきシートベルト・エアバッグ・衝撃吸収ボディ)の向上と、救急医療の発達によって救命率が上昇したことなどにより、自動車乗員の犠牲の減少に寄与している。
事故死亡者は事故発生から24時間以内に死亡が確認された場合のみカウントされ、24時間を超えて死亡した場合には統計に入らない。医療技術が発達した現在においては24時間以上生存している負傷者が増加したことも統計に影響を与えている。2003年においても事故後、1年以内の死亡者は1万人を超える。実際、年間負傷者数は増加を続けている。
交通事故自体は減るどころか、むしろ自動車保有台数に比例して増加し続けているのであって、特に21世紀に入ってからの先進国では、生まれながらの自動車世代が老齢に達するが、この高齢者の運転による事故も増加している。
